きっかけ

 

 

 

「文章を書きたい」なんて以前の私が聞いたら驚くだろう。私には語彙がないし文才もない。読書だってすごく気が向いたとき、年に数回程度しかしない。

 

 

文章を書きたいと思うきっかけとなったのは、とあるはてなブログだった。ブログコンテスト〜わたしの転機〜に寄稿されたその文章は夢中になって読み入ることができ、自分の中にストンと何か落ちるものがあった。そして単純かもしれないけれど、私もそんな風に自分の今思ってることを文章にして残しておきたいと思った。

 

 

文章を書くにあたって、まずは本を読もうと思う。いわゆるデジタルネイティブ世代で、家族に「ネット回線がなくなったら生きていけない」と言われたこともあるような私にとっては思っても見ないような出来事だ。今思えばそれにもきっかけがあった。

 

読書家でも知られる乃木坂46齋藤飛鳥ちゃんが「どうしていいのかわからないときの選択の1つが本を読むことだった。だけど本を読んでもわからない。」とあるとき言ったことだ。どんなに画面のこちら側からはキラキラと輝いているように見えるトップアイドルであっても、その内側には人間らしいものを抱えていることに衝撃を受けた。特別ファンというわけではないけれど、デビュー時から乃木坂46をしばしば見ていたなかで、どこか斜に構えていて不器用な印象のあった飛鳥ちゃんがひとりの人間としての苦悩を抱えながらも乃木坂46というグループに向き合っていることにドキッとした

 

私はそんな大層なものを背負っているわけではない。ただ、この春初めて自分と、自分の人生と向き合わなければならない場面に出くわした。今も自分がどうしたらいいのかも、自分が何者なのかもどうしたいのかもわからない。だけど今までのように自分の意思ではないところでまわりに流されて生きているのではだめだと思った。

 

もっと自分のことを知りたい。人のことを知りたい。自分のことを好きになりたい。その分、人のことも好きになりたい。

 

私の人生において今が分岐点になるのかもしれないと思う。今まで保守的にレールの上を歩いてきたけれど、ここからは自分の足で歩いていかなければならない気がする。いつか振り返ったときに「あのときが私の転機だった」なんて思うときが来るかもしれない。いつか来るかもしれないそのときに、はたまたそれよりずっと先に、20歳の私がこんなことを考えていたってことを読み返すため、拙い文章だけど書いてみようと思う。